キバネツノトンボ

キバネツノトンボ

Ascalaphus ramburi


トンボと名は付いているがトンボではない。 分類上はアミメカゲロウ目(旧称 脈翅目)に分類されている昆虫で、分かりやすく言ってしまえばアリジゴクの親戚である。 この仲間は夜行性の種類が多いのだが、キバネツノトンボはその中でも例外的に昼行性で初夏の草原を颯爽と飛び回る変り種だ。 鮮やかなレモンイエローの翅も美しいし、正面から見た毛むくじゃらの顔や、大きく発達した特徴的な触覚も可愛らしい。
キバネツノトンボが好むのはある程度草丈のある開けた草原である。 以前であればこうした環境は田畑の土手や畔といった部分が担っていたのだが、現在はそうした場所はずいぶんと減ってしまった。 それに伴い、こうした環境に生息する生き物たちの多くは著しく減少し、もちろんキバネツノトンボもその例外ではない。 この写真を撮影した場所も2007年の夏には重機が入り、無機質な駐車場へと姿を変えた。 里山という人間が作り出した環境を利用して繁栄してきた昆虫たちの趨勢は、今や我々人間の手に委ねられているのかもしれない。

2006年6月4日 長野県茅野市 EOS20D EF100mmMacroUSM 1/80 f5.6 ISO100



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