トビムシの一種

トビムシの一種

COLLEMBOLA sp.


3月半ば、まだ冬枯れの林道をしばらく歩いているうちに小用を足したくなって立ち止まる。 用を足している途中、近くの斜面からサラサラと土が落ちる音が聞こえてきた。 四足でもいるのかと目を凝らしてみるが、動くものの気配は感じられず、土が崩れている様子もない。 しかし、絶えず音は聞こえ続けてくる。 足もとへ目を落とすと、黒い塊が落ち葉の上に点々と乗っているのに気づいた。 音の正体は、無数のトビムシたちが歩きまわる音だったのだ。
一枚の落ち葉の上にこの数。 しかも、音は斜面全体から聞こえてくるのだ。 全部で一体どれほどの数になるのだろうか。 天文学的な数字に軽い目眩を覚えながら、小さな森の住人たちに視線を向ける。
トビムシ類は原始的な昆虫であるとされているが、そもそも昆虫として分類するべきか現在も議論は続いているようである。 だが、原始的と言われているものであっても、その役割は非常に重要な部分を担っている。 木を、葉を、生き物の死骸を、土へと戻す分解者。 この小さな体から受ける恩恵には、計り知れないものがあると言っていい。

2006年3月15日 長野県岡谷市 EOS20D MP-E65mmf2.8 1-5×MacroPhoto 1/250 f9 ストロボ ISO100



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